永六輔著の『大往生』。ベストセラーになったものの、何となく読みそびれていたので購入しました。
その中で、永さんが、宮沢賢治の例の有名な詩、「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」に触れた
箇所があります。
永さんはこの詩が「サウイフモノ二ワタシハナリタイ」と結ばれていることを、
長い間好きになれなかったそうです。
「ソンナヒト二ナレルワケガナイ」と・・・。
ところが、この詩を盛岡出身の女優長岡輝子さんがお国訛りで読んだとき、「ソ
ンナヒト二ナレタライイナ」と思ったそうです。
そして、その後、ある場所で改めてその詩を声を出して読む機会があった時、
終わりまで読む前に声が出なくなってしまった一行に出会ったそうです。
「今まで何度この詩に触れたことだろう。それなのに、どうしてこの一行を読み
過ごしてしまったのだろう。こんなに大切な一行を!」とあります。
小生も、永さんの云う、その1行まで読み終えたとき、思いがけず天井を仰ぎま
した。
「そうだ、そうだったのだ・・・。」
まずはご一読を・・・。
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雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテイカラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萱ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイイトイヒ・・・
(後略)
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「南に死にそうな人あれば/行って怖がらなくてもいいと言い・・・」
永さんは、宮沢賢治は死にそうな人の所に行って、「怖がらなくてもいいとだけいうのだろうか?」
それとも「怖がらなくてもいい理由をきちんと説明しているのだろうか?」と問いかけます。
さあ、どちらでしょう?
いずれにせよ、小生は、この詩を改めて読み返してみて、永さんに指摘された一行に気付き、
「サウイフモノ二ワタシハナリタイ」
今の小生にはとても無理であっても・・・と思いを致した次第です。。
(谷田貝)2004年2月21日
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