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連載コラム「人間へのはるかな旅」第三部 |
2004/03/23
前回に続きます。 私の志(こころざし)の話に対して、お客様の反応は概(おおむ)ね渋い。 「私たちにはそんなことは出来ない...」 「そんな立派なことは、とてもとても...」 というお客様の反応に対して、私は実にイヤな顔をして言います。 「なぜ皆さまが私と同じ事をしなければいけないのですか、私と皆さまは 歩んできた人生が違う、何も同じ事をする必要など全くないのです」 そして 「皆さまは皆さまのしたい事をすればいい、どんな些細な事でもいいので す。誰かに褒められようとか、認められようなんて考えないで下さい」 志を持てというと、日本の方は皆さま、維新の志士たちの姿などをを想像 する。それで身構えてしまう。 人様に笑われないような事をしなければいけない...と。 しかしながら、またそこで私は失言を繰り返してしまうのです。 「人間、食って寝ての繰り返しじゃ、そこらの犬や猫と同じですけんのう」 言ってから「しまった」と思うのですが、つい本心が出てしまう。 そこでお客様の心はまた頑(かたく)なになる。 「ワシはプロじゃないんだよな、どうも上手く話せない」と思っても後の祭り。 2年程前にスペインに行った時、コスタ・デル・ソルでシルバ一・コロンビア 計画の話を聞きました。 「当時、ロングステイで当地に来た日本のお客様の90%は1年以内で帰り ました」と聞き、さもありなんと思いました。 紺碧の地中海、蒼い空、白い壁の家、絵のような景色の中で暮らす、とても 長くは持つまい、少なくとも気の知れた日本人が何組か側にいなければ。 ましてスペインで何をするかという目的意識がなければ、とても日本人には 無理だというのが私の実感。 タイの場合はそこまで深刻に考えなくてもいい。 なぜなら、バンコクには大勢の日本人がいますし、日本語が溢れている。 だけど他人様はそれぞれの人生を抱えています。 いつまでも貴方の面倒をみてくれる訳ではない。 目的意識がなければ自分の人生(生活と言ってもいい)は築けません。 いつまでも根無し草のような生活になってしまう。 ロングステイは旅ではなく生活です。 たとえ1ヶ月であろうとも生活です。 生活には生きる目的がなければならない。 人は、その終わりに至らんことを恐るるなかれ むしろ、いまだかって、初めらしい初めを持たずして終らんことを恐れよ 英国・ニュ一マン枢機卿 これからロングステイを計画する皆さま、どこの国で実践しようとも、くどいよ うですが、この目的意識(夢と言ってもいい)を忘れずに。 「そんなら私は何をしたらいいんでしょうか?」と聞かれるお客様もいます。 優しいバ一ンタオ氏はとまどいつつも、何か回答をしようと焦っている。 貴方がタイで何をしたらいいかなんて、他人の誰も考えることは出来ない。 私は「甘えるんじゃネエヨ、自分で考えろ、自分のことだろ」と冷たく突き放す。 お客様(特にご婦人)は悲しそうな顔をして、バ一ンタオ氏にすり寄ります。 おかげで私はいつも孤独、街のどこかで淋しがり屋がひとり。 余 談 私はこれまで100組以上のロングステイ視察のお客様とお会いしました。 お客様は私のことを、白髪か頭の薄くなった「それなりの年齢の人物」を想定 して来ますが、会ってあまりの私の若さに驚きます。 豊かな緑の黒髪、陽に焼けてシワ一つない肌、背が高く筋肉質の体、明晰な 頭脳、明快でユ一モア溢れる話しぶり、そしてご婦人を褒めるのを忘れない。 ロングステイ6年目だというのに、何という若さ! (タイ人から見ると私は40代で十分に通ります) 白皙の美青年がニコニコと笑ってお客様をお迎えする。 実はこれには秘密があって、私はロングステイを始めた時から年をとってない。 つまりストレスがないから年をとらない。 ロングステイを実践している人が皆さん若々しいのはそのせいです。 バ一ンタオ氏と私と並ぶと、見た目にバ一ンタオ氏がロングステイ実践者で私 がビジネスマン、今に逆転しますよ、そんな遠くない将来にね。 ※そんなことにはならないようにストレスを感じずに生きたいと思います。 (谷田貝)
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(このコラムの前シリーズのバックナンバーは現在整理中です。順次公開していきます。)