元気なシニア、障害をお持ちの方のためのBAAN TAOロングステイプロジェクト:健康の維持・増進・回復のために
連載コラム「人間へのはるかな旅」第三部

■■第5回「ロングステイのタブ一」■■

2004/03/09


ロングステイの下見に来るお客様には色々な経験談をお話させていただきますが、
その中でロングステイをする場合のタブ一について二つお話します。
一つは必ず夫婦で来ること(単身者は別です)、一つは決して過去を語らないこと。
「必ず夫婦で来ること」に関しては、別の機会にお話させていただきます。

過去を語らないなんてまるで犯罪者のようですが、これはかなり重要なことです。
60歳を過ぎれば、人は誰でも誇るべき仕事の履歴をもっています。
大企業で何百、何千の部下を使っていた、有名な建築物の建設に携わった、海外
で永く働いた、小さな工場をこんな大きな会社にさせた....。
語れば尽きない思い出があるでしょう、語り出したら止まらない栄光の数々。
しかし、ハッキリ言って聞く人は何の興味もないことなのです。
一度は義理で聞いてくれても、二度、三度となれば「またか」となる。
過去に拘泥すればするほど、人は段々と遠ざかっていきます。
肝に銘じて下さい。
他人は自分の昔話や子供の自慢などは、聞いても少しも面白くないのです。
この辺がアタマでは分っていても、自制できない人が大勢いる。
特に男性(血液型B型は特に)、地位の高かった人ほどこの傾向は強い。
話すテ一マのない人は仕方なく愚にもつかない世間話か、他人の批判か、過去
ばかりを話す、寂しさのきわみです。

それではどんな話をすればいいのか?
自分の現在と未来を語るのです、特に未来への志(こころざし)を語るのです。
そんな難しいことをやろうとしなくていい、小さいことでも自分がやりたいこと、そ
れについて語れば人は興味をもって聞いてくれます。
前回も書きましたね、”いつでも夢を”って。
ロングステイで大切なことは、いつでも夢(やりたい事)を持つことなのです。
これは海外ロングステイに限らない、日本にいようと同じではないでしょうか。

そして60歳以下、現役の読者の方がいましたら、これを知っといて下さい。
「男は肩書きが取れたら、陸(おか)へ上がった河童も同然」
これもアタマでは分っていても、体が理解していない人がほとんど。
人が貴方にアタマを下げてくれるのは貴方の背後にある会社、そして肩書きに
対してです。
これは会社を辞めると痛いほどに実感として分る。
つまり会社を辞めると、生身の自分で世間と勝負しなければならない。
自分の知識、経験、人格、体力、行動力などで人は貴方を評価する。
これ(つまり生身の自分)に自信のない人は、組織にしがみつく。
それが分っている人は、現役時代から十分に夢に向かっての準備ができているで
しょうから、未練もなくスンナリとロングステイ生活に飛び込めます。

  人生という本は最高の本である
  人は好き勝手にこれを閉じたり、
  また開けたりすることはできない。
  魅力ある頁も二度と読むことはできぬ。
  運命の頁は自らめくられてゆき、
  恋をしている頁へ戻りたいと思っても、
  死を迎えた頁が既に指の下にある。


余 談
先般、バ一ンタオ通信にバ一ンタオ氏が永六輔氏の著作から、宮沢賢治の雨ニモマ
ケズの詩が引用されておりました。
同様のことが先週のバンコク週報のバ一ンタオ氏のコラムにも書かれていましたの
で、よほど感銘を受けたのであろうと察しました。
私などは冷血人間ですから、困難に当れば当るほど頭は冴えてくるタイプで、その反
動で何事にもあまり感動をしなくなった。
このコラムを永く読み続けると、読者の皆さんも私の冷たさが分りますよ。
ただその冷たさの奥の奥で、とてつもない人間としての温かみがあるのですが、それ
を理解してくれるのはあの可憐な舞姫だけか、なんちゃって。

余談の余談ですが、私は永六輔とか大橋巨泉とか黒柳徹子といった紙が燃えるように
ペラペラと四六時中喋りまくる、軽佻浮薄なヤカラは大嫌い。



(このコラムの前シリーズのバックナンバーは現在整理中です。順次公開していきます。)

目次に戻る