| 元気なシニア、障害をお持ちの方のためのBAAN TAOロングステイプロジェクト:健康の維持・増進・回復のために |
![]() |
連載コラム「人間へのはるかな旅」第三部 |
2004/06/08
今日は多少マンネリになった最近の内容を反省し、ロングステイとは 若干離れますが、私がビジネスマン時代の記憶に残る体験談を二つ お話いたします。 第一話(全4回)は経済ミステリ一、第二話は私には珍しいラブロマン スです。これはすべて実話です、ビックリして夜眠れないぞ。 プロロ一グ、茨城県取手 それは1980年代の終わり頃、日本がまだバブルの最中のお話です。 私は茨城県の取手市で勤務していました。 私はまだ現役バリバリ、まさに企業戦士の代表というべき時代です。 ある日、一人の後輩が私の職場を訪ねて来ました。 彼(仮名・木村)は30代前半の商社マン、思いつめた様子でした。 私は「何事があったのか」と木村に尋ねます。 木村の話は近代ビジネスマンなら驚くべき内容でした。 時は天安門事件で揺れる中国・上海での出来事です。 彼は当時、某大手商社・上海支店で中国からの農産物の輸入を担当 していました。 ちょうどその時、日本ではぜいたく品にになりつつあった松茸の仕入れ に四川省に行き、そこで若き中国人バイヤ一林(リン)とめぐり合ったの です。 木村は真面目で朴訥な林をひと目で気に入り、彼との商談を進めました。 二人は1ヶ月間、四川省の山の中に入り、各地で松茸の購入をしました。 四川省の田舎では当時はロクなホテルもなく、二人は山の中で野宿する ことも度々あったとの事です。 その間、林がこの商売がうまくいったら結婚することも聞きました。 1ヵ月経って予定していた3000万円分の松茸を購入し、二人は山を下り、 木村は日本への輸送手続きを林に頼み、上海に戻りました。 それから十数日後、林から木村のもとへ、香港から出荷したとのインボイ ス(送り状)が送られてきました。 木村は日本本社へインボイスを送り、支払いの依頼を済ませ、折り返し 日本から支払い処理済みの連絡が届きました。 それから数日後、彼のもとへ日本から驚くべき連絡が届きました。 「送られてきた荷物、松茸は一番上の一箱だけ、あとは新聞紙や布切れが 入ってるぞ、どうしたんだ、このボケ!」 木村はあわてて林に連絡します、「林さん、松茸が届いていない!」 林は言いました、「それはおかしいよ、税関のサインが入ったインボイスを 送ったでしょう、日本側の間違いでしょう」 木村はまた日本に連絡します、「もう一度、調べてくれ!」 「バカッ何度も調べたよ、写真送ったから自分の目で確認しろ!」 それまで何が起こったか理解できなかった木村は、送られてきた写真を見 てハッキリと理解しました、「オレは林にはめられた!」 木村は涙を浮べて私に言いました。 「オレは悔しい、仇(かたき)を討ちたい、3000万円も騙し取られ、会社じゃ バカ扱いだ、先輩、いい知恵はないか」 しばらく私は考えました、そして木村にこう言ったのです。 「木村、オマエ本当に仇を討ちたいか」 「討ちたい、このままじゃ悔しくて生きていけない!」 「それじゃ、ワシの言うことをよく聞けよ、命がけの復讐だぞ」 それから小一時間、私はじっくりと木村に話をしました。 それは、かって日本人の誰もやったことのない、天安門事件で揺れる中国 を舞台にした、壮大な復讐劇の始まりだったのです。 (次回に続く)
|
(このコラムの前シリーズのバックナンバーは現在整理中です。順次公開していきます。)